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【031】孤独と愛について 【対面講座】
自己を知る難しさ
講座番号 | 031 |
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開催日 | 2025/03/15 |
曜日 | 土 |
時間 | 13:15 ~ 16:45 |
回数 | 全2回 |
定員 | 30名 |
最少催行人数 | 8名 |
受講料 | 6,600円 |
教材費(全員対象) |
講座詳細
「他人の心はわからない」とよく言われますが、じつは一番難しいのは「自分を知ること」ではないでしょうか。自分がどうしたいのかわからない、というのは何も未熟や煩悩のせいばかりではありません。それはもっと本質的で構造的な問題です。すなわち、〈私〉が自分を知ろうとしたその瞬間、後者の自分はもはや前者の〈私〉ではないからです。例えば「私は何々である」(性格、趣味、職業etc)と言う場合、そういう「私」というものを認証する言わば素の〈私〉が背後に控えています。(カントの指摘した「私の二重化」もこのことに関係します)。この〈私〉は対象化されない以上「謎」といわざるをえません。しかし、私たちがいつどのような「自我」(person) を演じていても、同時にこの言葉では表せない「自己」がいるのです。本講座では、まず「自我」と「自己」の区別とその問題意識が近代の哲学および社会に対してもつ意味を概観し、次に、この問題が私たちの日常においてとりわけ切実に経験される孤独と愛について考えたいと思います。
注意事項
この冬期はZoomではなく、教室(南1号館)での対面講座です。
テキストは講師がプリントを用意いたします。また、参考文献については、講座中にそのつど御案内します。
参考文献:酒井潔『自我の哲学史』(講談社現代新書 2005年〔絶版〕)
講師
酒井潔(サカイキヨシ) 学習院大学名誉教授
【プロフィール】
1974年京都大学文学部哲学科卒業。1982年京都大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程修了。日本学術振興会奨励研究員、京都女子大学専任講師、岡山大学助教授を経て1995年より学習院大学文学部哲学科教授。専攻は哲学・哲学史。ライプニッツ、カント、ハイデッガーを中心とした近現代ドイツ哲学が専門領域。現象学、形而上学、比較思想のアプロ―チから研究している。2009年~現在
講座スケジュール
回 | 実施日 | 時間 | 講座内容 | 担当講師 |
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1 | 3/15(土) | 13:15~14:45 | 「自我」と「自己」 ―西洋近現代哲学の根本問題 |
酒井 潔 |
2 | 3/15(土) | 15:15~16:45 | 孤独と愛について ―経験的現実の哲学 |
酒井 潔 |